辻村深月『かがみの孤城』はラストスパートで圧倒的に畳みかけてくる名作で涙【2018年本屋大賞受賞】

本・漫画

こんにちは!

パンナです。

先日、辻村深月さんの小説『かがみの孤城』を読み終わりました。

いや~~~~~・・・・・ラストスパートが、とっても、とっても良かった・・・・・。

辻村深月さんの小説を読んだのはこれが初めてでした。

 

1980年生まれの若い女性作家さんなのですね!

 

話を簡単に説明すると、主人公は不登校の中学生の女の子で、その子が自宅の鏡に吸い込まれてファンタジーの世界に行き、そこで願いがひとつだけ叶うという「願いの鍵」探しをする、という、とっても”ありがち”な内容(ごめんなさい)です。

 

しかし!

”ファンタジーで、しかもありがちな設定か・・・”と読むことを躊躇することなかれ!←私がまさにこう思った

 

一言言わせてください。

読んだ方がいいです。

それも、絶対にあきらめずに最後まで読み切って。

 

途中、主人公が不登校になる原因が起こる場面では、昔いじめられ未遂等を経験した私には胸に迫るものがあり、集団が個人に”恐怖”を与える過程が鬼気迫る描写で描かれています。

 

文体に関しては、登場人物たちの心情を丁寧に説明するタイプで、私は正直ちょっと苦手感を味わいながら読み進めました。

心情をあまり説明しない小説のほうが好きなもので・・・(;^ω^)。

 

しかも話が後半に差し掛かるまで、正直あまりページをめくる手が進まず、毎日がんばって少しずつ読みました。←

鼻をほじりながら読む勢いのやるきのなさ。

 

と、ところが!!!!

後半も後半、ラストの150ページがやばかったのです。

寝ぼけまなこにビンタをくらったような衝撃。

 

いきなりお話の空気感がガラリと変わり、ホラーともいえるほどの緊迫感が読者を襲い、息を飲む展開になります!

正直、真夜中に一人で読んでて、けっこう怖かった・・・・

そしてそこから怒涛の伏線の回収が始まります。

 

このお話は、ラストの150ページに全てが詰まっています。

ありがちな内容ではある、でもなんだかすっごくすっごく感動させられてしまうのです。

 

物語のラストページの、あの素晴らしい爽やかさと希望の香り。

そして静かに涙が流れ続けてしまった素晴らしいエピローグ。

 

私はライトノベルとかファンタジーとかがだいぶ苦手な人間なのですが、この小説は、ラストの怒涛の畳みかけで、そんなひねくれ人間の私のことをきっちり泣かせてくれて、心に清涼な希望の風を吹かせてくれました。

 

いやぁ、とってもとっても良かったな・・・・・

「生きて、大人になって。未来で待ってるから。生きて」

このセリフ、何度思い返しても泣けます。

 

一度読んだ本はめったなことでは読み返さない私が、数日余韻から抜け出せず、何度もページをめくり返してしまった『かがみの孤城』。

かなりおすすめな一冊です!!!

 

 

 

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