こんにちは!
パンナです。
先日、辻村深月さんの小説『かがみの孤城』を読み終わりました。
いや~~~~~・・・・・ラストスパートが、とっても、とっても良かった・・・・・。
辻村深月さんの小説を読んだのはこれが初めてでした。
1980年生まれの若い女性作家さんなのですね!
話を簡単に説明すると、主人公は不登校の中学生の女の子で、その子が自宅の鏡に吸い込まれてファンタジーの世界に行き、そこで願いがひとつだけ叶うという「願いの鍵」探しをする、という、とっても”ありがち”な内容(ごめんなさい)です。
しかし!
”ファンタジーで、しかもありがちな設定か・・・”と読むことを躊躇することなかれ!←私がまさにこう思った
一言言わせてください。
読んだ方がいいです。
それも、絶対にあきらめずに最後まで読み切って。
途中、主人公が不登校になる原因が起こる場面では、昔いじめられ未遂等を経験した私には胸に迫るものがあり、集団が個人に”恐怖”を与える過程が鬼気迫る描写で描かれています。
文体に関しては、登場人物たちの心情を丁寧に説明するタイプで、私は正直ちょっと苦手感を味わいながら読み進めました。
心情をあまり説明しない小説のほうが好きなもので・・・(;^ω^)。
しかも話が後半に差し掛かるまで、正直あまりページをめくる手が進まず、毎日がんばって少しずつ読みました。←
鼻をほじりながら読む勢いのやるきのなさ。
と、ところが!!!!
後半も後半、ラストの150ページがやばかったのです。
寝ぼけまなこにビンタをくらったような衝撃。
いきなりお話の空気感がガラリと変わり、ホラーともいえるほどの緊迫感が読者を襲い、息を飲む展開になります!
正直、真夜中に一人で読んでて、けっこう怖かった・・・・
そしてそこから怒涛の伏線の回収が始まります。
このお話は、ラストの150ページに全てが詰まっています。
ありがちな内容ではある、でもなんだかすっごくすっごく感動させられてしまうのです。
物語のラストページの、あの素晴らしい爽やかさと希望の香り。
そして静かに涙が流れ続けてしまった素晴らしいエピローグ。
私はライトノベルとかファンタジーとかがだいぶ苦手な人間なのですが、この小説は、ラストの怒涛の畳みかけで、そんなひねくれ人間の私のことをきっちり泣かせてくれて、心に清涼な希望の風を吹かせてくれました。
いやぁ、とってもとっても良かったな・・・・・
「生きて、大人になって。未来で待ってるから。生きて」
このセリフ、何度思い返しても泣けます。
一度読んだ本はめったなことでは読み返さない私が、数日余韻から抜け出せず、何度もページをめくり返してしまった『かがみの孤城』。
かなりおすすめな一冊です!!!